子犬を迎える時期は?

子犬を迎える時期は、子犬の成長の過程をよく理解したうえで決めてあげてください。
※決して生後50日にも満たない時期に迎えないようにしてください。
子犬は、生まれてから次のような過程を経て成長していきます。

1.新生児期 (生まれてから2週間前後 ※個体により前後します)

新生児期はまだ、目も開いていませんし、耳も開いてはいません。
(嗅覚と温度感覚は生まれた時点から本能として備わっています。)
自分で体温の調節がうまくできまないので母犬の温もりがないとすぐに体温が下がって死んでしまいます。
もちろん、母犬の母乳がなければ生きていくとはできません。
また、母犬の刺激がないと自力でおしっこやウンチを排泄することもできません。
参考までに、
生まれたばかりの子犬には独特な「反射」も備わっています。
生まれたてでは「屈筋反射」という反射があります。これは首の後ろをつかんだ時に体を丸めてしまうというもの。
そして、4〜5日経つと、それとは逆に「伸筋反射」に変化します。
これは首の後ろをつかむとぐっと手足を伸ば反射です。

2.移行期 (新生児期が終わってから1週間程度)

移行期は短く、新生児期が終わってからの1週間程度しかありません。
個体差はありますが、生後2週間から3週間くらいまで期間が移行期になるケースが多いです。
新生児期には母犬に完全に依存している状態で母犬がいなければ何もできなかったんですが、
移行期からは徐々に独立して生活していくことを学んでいくようになります。
■耳の穴が開きだして、周りの音が聞こえるようになるので、
 音のなっている方向へ、移動できるようになるのです。
■目も開いてきて、視覚が発達し、周りが視覚的に認識できるようになるので、
 色や形などの認識ができるようになっていきます。
■筋肉も発達していきます。
 手足を動かして、よちよち歩きをはじめるようになります。

母犬に世話をしてもらっていたおしっこやウンチも自分でできるようになります。
兄弟姉妹とのじゃれ合いが始まり、尾を振ったりするのもこの時期です。
移行期は、神経的にも、筋肉的にも発達が進む時期で、母犬から独立して生きていくために
必要な成長過程になりますが、まだ母乳も必要で母犬の存在が大きな役割を果たしている時期でもあります。


3.社会化期 (移行期が終わってから2か月前後)

社会化期は、個体差は犬種による違いで前後はしますが、
移行期が終わってからの生後3週間前後から生後3か月くらいまでとされています。
この時期くらいから母犬から独立して生活できるようになっていきます。
嗅覚、視覚、聴覚も発達し、筋肉や骨も発達していくのはもちろんですが、
一番重要な変化は、脊髄や脳の神経細胞が大きく発達する変化が現れてくるということす。
したがって、社会化期は多くのことを学習し、記憶していく大切な時期なのです。
この時期は良いことも悪いこともどんどん覚えていきまう。
その際の先生役、友達役になるのが、母犬や兄弟犬、その他同犬舎の犬、そして人間(飼い主)だということです。
兄弟犬や他の犬とじゃれあったり、ケンカをしたり、
母親の行動を観察したりすることで犬社会のルールをしっかりと理解するようになります。
また、ブリーダーやその家族と接することで人間との共生が自然に受け入れるようになります。

この社会化期の早期に、早々に母犬と離れてしまうのは後の子犬の性格や躾にも
百害あって一利なしです。

子犬を迎える入れるタイミング

子犬にとって、
新生児期、移行期、社会化期はどれも大切な時期だということは理解できたと思います。
そして、子犬を我が家に迎え入れるタイミングは、
新生児期、移行期では早すぎるとこともおわかりいただけたと思います。
現在の子犬販売の主流であるペットショップでの販売では、
どの時点でペットショップのガラスのケージに陳列されたのかが重要になりますが、
残念ながら、社会化期を十分に経ていないケースが考えられます。

よりベターなのは、この社会化期の重要性を良く理解している優良なブリーダーから、
社会化期の前半を母犬や兄弟犬と過ごしながら人間(ブリーダー)とも適度に触れ合っている子犬を
生後60日前後の社会化期中盤に差しかかるタイミングで迎えてあげることだと思います。


また、平均よりも小さく産まれた子や、もともと小さくて食の細い犬種などは、
離乳の時期を遅らせる柔軟性も必要ですし、
離乳食の与え方にも専門的な知識や経験が必要になりますので、
そのような場合は、子犬を迎え入れるタイミングも、おのずと遅くなります。
ブリーダーさんとしっかり相談した上で、
タイミングを調整しましょう。

備考:改正動物愛護法施行について

親から早く引き離された子犬は成長すると人をかむなどの問題行動が出て、
飼育放棄につながりやすいとされます。
そのため、改正法は生後56日を経過しない子犬を繁殖業者が販売のために
引き渡したり展示したりすることを禁止しました。
ただし、激変緩和措置として、施行後3年間は生後45日、その後は49日と
段階的に期間を延長し、56日への変更は施行後5年以内という経過措置が付いています。
ブリーダーからペットオーナーへの直販の場合は、経過措置の恩恵を受ける必要は
ないはずなので、
良識のあるブリーダーであれば、生後56日より前での引き渡しを提案したり、
お客様からの早期の引き渡しの要求に応じることはないと
お考えいただきたいと思います。